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正観世音菩薩(秘仏・本堂安置)

 「朝日観音」と篤く信仰されている観音さまです。その優しいお姿で、人々をあらゆる苦しみから救って下さいます。
 〈御詠歌〉
  だいひかげもらさぬ光り照らすなり あさひの寺のあさからぬかな
  よしあしもわかたず照らす朝日山 びょうどうだいえの慈悲の光りを

 この観音さまは条帛を肩に懸ける一般的な菩薩像とは異なり、袈裟を身にまとわれたお姿をされています。このお姿は、中国宋時代の様式の影響を受けたもので、当代一流の仏師により作られたものと拝察されます。また御身丈は等身以上あり、まさに観音さまが私たち衆生に近い姿に変化して現れ、救いの手を差し伸べて下さっているようです。秘仏ですが、毎年正月元日、4月18日の春季縁日、8月10日の千日詣りには御開扉されます。(像高:196cm)

千手観世音菩薩(千手堂安置)

 泰澄大師が正観世音菩薩と同木より作られたと伝わる千手観世音菩薩。頭上には十一面を頂き、体には四十二手をお持ちになるお姿で、災難厄除の功徳は計り知れません。そのありがたいお姿に感動し涙する参詣者の方も沢山いらっしゃいます。また哲学者梅原猛氏は泰澄大師ゆかりの観音像の中でも特にすばらしいと高く評価されています。
 なお、千手観音像はお申し出いただければいつでも拝観できます。
 (像高:180cm)

不動明王(本堂安置)

  観音さまとともに多くの善男善女の信仰を集める不動明王。その恐ろしいお姿で魔を破り、人々を正しい道へと導いて下さいます。北陸三十六不動霊場第三十一番札所として全国からお参りに来られます。(像高:95cm)

〈御詠歌〉
  みはるかす四方のもろ人救わんの 不動の光つきることなし

大日如来(内郡日吉神社安置)

 その昔、福通寺の本尊として安置されていたという大日如来像です。戦国時代末期、一向一揆により当山が焼き打たれた際、内郡の日吉神社にこの尊像を隠して難を免れたといわれています。それ以来大日如来像は、日吉神社に安置され今に至りますが、朝日観音御開扉法会の際には当山に里帰りされます。仏様が地区ぐるみの行事によって御遷座されるのは、全国でも他に例を見ない非常に珍しいことです。
 智拳印を結ばれる金剛界大日如来で、素朴な中に森厳な趣がただよいます。近年の修復により大変凛々しいお姿がよみがえりました。なお日吉神社には、十一面観世音菩薩、地蔵菩薩、四天王のうちの二天の各像も安置されています。
 (像高:160cm)

幸若家寄進の梵鐘(鐘つき堂)

 この梵鐘は、元禄五年(1692)、幸若舞の祖・桃井直詮の後裔である幸若八郎九郎直良が、所願成就報恩謝徳のために寄進したもので、鋳工は金沢城下の名匠宮崎彦九郎寒雉の初代二代親子の合作です。その音声は玲瓏透徹国内無双といわれ、人々の心に深く染み渡ります。本来梵鐘は、仏事や時報、火災報知等以外は撞くものではありませんが、この梵鐘はいつでも誰でも所願成就を祈って撞くことが許されています。